虹色シンデレラ
トントン。

「虹子様」

珍しい声が廊下から聞こえ、私は乃梨子さんと顔を見合わせた。



「佐知さん」

急いでドアを開けた乃梨子さんが、廊下に立つ老女の名を呼んだ。


佐知さんはおばあさまの側近。

物静かな雰囲気を持つおしゃれなおばあさん。


「どうしたんですか?」

佐知さんがここに来るなんて珍しい。


「雪江様が、虹子様とお話をしたいとおっしゃっています」

おばあさまが?

「お時間があれば是非に」

そう言われて断れるわけがない。


「わかりました。伺います」

即答し、私は立ち上がった。
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