虹色シンデレラ
その日の晩は、母さんの手料理を堪能した。

みんなでワイワイ食べるご飯も、小さいけれど入り慣れたお風呂も、少し堅めの私のベットも、すべてが懐かしかった。

小さな幸せがそこにはあった。


「明日はどこかに出かけるの?」

「うん。未来と約束がある」

「そう。警備もついてないんだから、気をつけて行きなさいよ」

「はーい」


私一人が出かけるのに警備なんて必要ない。

街を歩いていても誰も気づかないはず。


「用心に越したことはないから。何かあってからでは遅いのよ。高宮のお家に迷惑をかけないようにしなさい」

「はいはい」

小言の多い母さんに、いつもこんな返事をしていたっけ。

懐かしいなあ。
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