桜の城のノクターン
リズが馬車の方を見やると、フェニルの心配そうな眼差しとぶつかった。
アロン大尉に簡単な礼をして、馬車に歩み寄る。
「何が起こったのですか?」
不安なのか、声が少し上ずっている。
「大丈夫だ。心配はない。御者がいなくなってしまった。これからは私が手綱をとろう」
そう、いつの間にか御者はいなくなっていた。
馬車は、明日キーナの屋敷へ行く際に共に届ければいいだろう。
それでも、フェニルは心配そうだった。