桜の城のノクターン


家財道具が全て丁寧に梱包され、運び出されようとしている瞬間だった。



「えっ?」




驚きを隠せない少女。




それを指揮していたのが昨日の青年だったからかもしれない。










少女を見つけた青年は、にこやかに微笑み、挨拶をする。




「おはようございます。おはやいですね。まだ寝ていて下さって結構ですよ。まだまだかかりますので」




にこやかすぎるその顔には、悪気など全くない。


< 42 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop