君は僕のもの 【続】




「じゃぁ…もう帰った方がいいんじゃないの?」


と俺がそう言った時、

丁度良く愛梨の食べてたスモールサイズのポップコーンが底をついたらしく、俺は付け加えて『丁度良いし』と言った。


だけど愛梨の顔色が優れない。

むしろどんどん曇っていく、不機嫌…?


「何、その顔」

指で頬を突くと、何かもの言いたげな顔をする。

けど俺と目があった瞬間、目を逸らして、



「…別に、何でも…無いよ」

あるでしょ。


途切れ途切れにそう言う愛梨の心情は多分、いつもの。

『言いたいけど言えない』

ってやつだと思う。


大体、こうやって付き合ってもう半年以上経つし…いい加減、して欲しい事とか思ってる事とか、

俺的には言って欲しい。


性格的に却下することとかのが多いかも知れないけど。

それでも言って欲しいものだよね、やっぱ。


こう言う時に自己中心的な自分の性格に改めて気付かされる。わけで。


「…言ってみれば?」

「へ…?」

迷いのあるその瞳は大きくて、ちょっと困る。

愛梨は自分に自信が無いどころか常に悲観的な考えばかりをよくする。


簡単に言ってしまえば特技が“被害妄想”って感じ。


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