わたし竜王の番(つがい)です  ~気が付けば竜の国~
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クリフ様との婚礼の儀を済ませた私は竜の国の王妃となった。

お披露目のための婚礼後のパレードではヴィーの背中に正装したクリフ様とウエディングドレス姿の私が乗り、周りを側近たちの竜が飛ぶという何ともド派手な演出だった。

おまけに私のドレスはぐっと胸元が開いていてクリフ様の鱗が見えるようになっている。
鱗の濃いピンク色が番の証としてキラキラと輝いているのだ。

なかでも、王妃に従う竜の国で目にしたことのない神鳥の存在は民のみでなく貴族たちをも大いに驚かせた。

「神の使いを従える王妃の存在は誰の目にも特別なものと映っただろう。女神の血を引く竜王の番だと発表もしたし、楓の立場は確立されたと思っていいだろうな」

クリフ様の笑みに私も苦笑した。
ヴィーははじめ”お前を乗せるのは嫌だ”とクリフ様を背中に乗せるのを嫌がっていたからだ。

クリフ様に説得されて渋々了承したのだけれど、パレードが始まってしまえばヴィーも楽しんでいるらしく歓声に鳴き声で応えたり、余分に旋回したりしている。

私としてはヴィーの背中でクリフ様にしっかりと抱え込まれているものの右手でクリフ様にしがみつき、笑顔で左手で手を振るアクロバット的技に心の中でひきつっていたのだけれど。
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