。。折れた羽根、虹の架け橋。。②
それを、睨んだのは俺。

「かき氷とか、嘘かよ!!
暑いのに、アイスとかないわけ?」

空を仰ぐ黒。
とりあえず落としてある麦わら帽子を拾っては暑さを防ぐ。

「麦わら帽子とか、サングラスとかマジで怪しいやつかと思ったわ!!」

ガハハと明石は笑って、せいの肩を組んだ。
組まれたせいは嫌そうに、顔を歪めた。

せいはきっと、そこまで人を信用してない。

嫌そうなのが、伝わる。


明石の明るさ、人懐っこい性格が嫌に思えた。


だけどーー




「アイスならあるけど、まじで」

クーラーボックスを開けたせいは、アイスを、片手にニカっ、と笑った。


その笑顔は、俺らに向けた笑顔じゃない。


「はい、あげはちゃん。
先に選んでいいよ!」


あげはに、向けた笑顔。





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