極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない

ガッカリしたようにシートに背中を預けた陽奈子に言うと、彼女はハッとしたように上体を直角に戻した。


「そうでしたっ」


毎朝コーヒーを淹れるのは陽奈子だというのに、すっかり頭から抜け落ちていたらしい。


「ごめんなさい」
「俺の好みには興味がないってわけだな」


意地悪を言うのは、陽奈子が愛しいから。ついいじめたくなる性だ。


「そんなことないです」


首をぶんぶん横に振り、貴行の好物を指折り数えてあげ連ねる。こんなにも知っているんですよというアピールだ。
そんな一生懸命さが、たまらなくかわいい。


「その割には、あの店長にはいろいろとお世話になってるみたいだな」


〝いろいろ〟を無意識に強調する。

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