愛を捧ぐフール【完】
「……なあ、サヴェリオ。お前最近意識飛ばしすぎじゃないか?」

「……え、そうですか?」


 第二王子の執務室。第二王子の母親である王妃様の実家、クラウディウス公爵家と俺の実家であるフィリウス侯爵家が仲良いのもあって、幼い頃より第二王子に付き従っていた。


 幼馴染みという事もあってか、アルフィオ様は俺をかなり信頼して重用してくれる。
 俺もアルフィオ様を信頼しているし、勝ち気で負けず嫌いな性格で第一王子と張り合おうとしているアルフィオ様をずっと応援している。


 アルフィオ様は優秀すぎるファウスト殿下にかなりコンプレックスを抱いているが、アルフィオ様自身かなり優秀だ。
 ファウスト殿下がズルなのだ。前世も王太子で国王だったのだから、こういう仕事に慣れていると言っていい。


 実家の影響でファウスト殿下でなく、アルフィオ様に仕えているが、俺は主がアルフィオ様で本当に感謝している。
 ファウスト殿下だったら、背後から付き従いながら殺意を向けていたかもしれない。


 長い間ずっといるせいか、もはや家族みたいに近しいアルフィオ様に俺の様子がおかしいなんてバレバレだった。
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