アイスクリームと雪景色
ルナの追跡
美帆は夕食会場に急いだ。

胸がどきどきしている。

外山会長のあれは、ピースサインではなくⅤサイン? ヴィクトリーのⅤか、それとも、勝利を目指せというエールだろうか。

(その勝利というのは、つまり……)


――宏道とのゴールインを期待する。頑張れ!


かあっと頬が熱くなり、ピンクに染まる。

(け、け、結婚ってこと!? 私と里村くんが)

恋を自覚したばかりの美帆には、あまりにも急激な展開であり、ものごとを順序立てる間もない。

広間の入り口まで来て、ぴたりと立ち止まる。

頬の熱が冷めるまで、襖を開けることができなかった。
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