アイスクリームと雪景色
「尺は5分でーす。インタビューは後ほど編集しますので、NGなんて気にしないで、リラックスして下さいねー」

開発者代表としてインタビューを受ける美帆に、ルナが満面の笑みで進行説明する。

しかしカメラを向けられた美帆は、さっきからモニターに集中していた。いつもは後ろで結んでいる髪をハーフアップにして、メイクを丁寧に施している。

いくら若く見えると周りに言われても、カメラが残酷なくらい正直に年齢を映すのを、彼女はわかっていた。髪型やメイクで工夫しなければならない。

「だいじょーぶですよ。成田さんって知的美人だし、そのままでじゅうぶんキレイですもん。ねっ、そうですよね、坂崎サン」

ルナが甲高い声で、坂崎に同意を求める。

突然、恋人の名前を出されて美帆はぎょっとするが、坂崎はカメラを調整する手を止め、「余計なことは喋らない」と、一言注意しただけでコメントしなかった。
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