強引上司に絆されました

気が付くと、目の前に白い天井があった。
どうやら、会社の救護室の様だ。

「あっ、穂花さん気が付いた!」

声の方向に顔を向けると、モカちゃんが丸椅子に座って居た。

「さっきまで、産業医の先生と花菜美ちゃんも居たんですけど・・・」

「私、どうしたのかしら?」

「貧血で、倒れたらしいです。東海林課長が凄い勢いで、穂花さんを運んできて」

「課長が?」

「はい。お姫様抱っこで」

「はっ?」

さすがモカちゃん。
こちらの動揺を気にもせず、説明を続ける。

「産業医の先生によると、寝不足による貧血らしいです。診断を聞いて、東海林課長は戻ったんですが・・・今日は産業医巡回の日なので、私が付き添ってたんですよ」

「ごめんね、迷惑かけちゃったね」

「いいえー、私はお茶汲み位しか取得が無いのでお役に立てて、嬉しいです。穂花さんは私にとってもお姉さんなんですから」

起き上がって目眩が無ければ、オフィスに戻っても大丈夫かな・・・。
でも、お姫様抱っこって・・・恥ずかしい。

「やっぱり、東海林課長とお付き合いされてたんですね」

「えっ?」

「東海林課長が言ってました。付き合ってるから、俺が運ぶのは当然だって」

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