強引上司に絆されました


仕事をぶっ込む鬼課長だが、各社員に配布されている社内タブレットで、スケジュールを確認しながら的確に指示をしている。

実際、課員の動向をよく見ていると思う。
各自の仕事のペースを把握しているのか、先程の発言となる訳だ。

検証結果の数値と誤字チェックを終え、後は保存して印刷をかける。
プリントアウトしたものを丁寧に揃えて、ダブルクリップで左上を止めると課長に提出した。

「出来ました。お願いします」

「ん、さすが早いな・・・」

早速チェックを始める課長。
この瞬間が、一番緊張する。
五年目になっても、それは変わらない。

「・・・ヨシ、完璧だ。来週の企画会議にかけよう。プレゼン、頼むな」

「承知しました」

一発OKに、ホッと胸を撫で下ろす。
なまじ役付になったせいで、緊張感が半端ない。
次の企画に取り組む前に、糖分補給しようと休憩ブースに足を向けた。
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