【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
光一の登場に色めきたつ彼女たちから視線をそらすと、一番端に座る華と目があった。
紺色のカーディガンにベージュのタイトスカート。他のメンバーと比べると、だいぶ
地味だ。華は口角をあげて、口元だけで光一にほほえみかけた。
メイクも直す時間がなかったのか、その唇にはほとんど色がのっていなかった。

光一(どうせまた仕事を押し付けられたんだろうな。あの子らが化粧する時間を確保
するために)
ばっちりメイクの彼女たちから、きつめの香水の匂いがただよってきて光一はわずかに
顔をしかめた。
光一(臭くないだけ、こっちのがマシだな)
光一は華に声をかけ、その隣に座った。

光一は適当な世間話をするだけだったが、華は嬉しそうだった。少なからず
彼女が自分に好意を持っていることはわかった。

〇トイレ前
光一がトイレから出ようとすると、ちょうど前でクローン女がふたり、
並んでおしゃべりをしていた。女子トイレは混雑しているようだから、
順番待ちをしているのだろう。
ふたりは光一の存在には気がついていない。

女子1「せっかく鈴ノ木さん来てくれたのに、なんで華さんとしか喋らないわけ?」
女子2「ね~。まさか華さん狙いなのかな?」
光一(別に狙ってないけど……)
女子1「え~?女なんて選び放題な鈴ノ木さんが華さんにいくかな?」
女子2「そうだよねぇ。秘書課の須藤さんですら、振られたって噂なのに」

光一は小さくため息をついた。慣れたこととはいえ、女同士のこういうやり取りを
聞くのは気が重くなるばかりだった。
光一(仲よさそうにしてても、結局いないとこでは陰口かよ……)







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