【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
光一「だって、俺いつも選ぶ側だったし。上からになるのは仕方ない」
華の嫌味もなんのその、光一はあっさりとそう言ってのける。
光一「まぁ、でも今回ばかりは選んでもらう立場になるわけか。了解、上から目線には気を付けます」
光一はにこりと笑いながら、両手をあげて降参のポーズを取る。
華「わかれば、よろしい」
光一「で、具体的にはなにをすればいいんだ?」

延々と考えこんだ末に、華は三つの提案をすることにした。
華「その一、お互いに本音を言い合うこと。その二、お互いの理想に歩み寄る努力をする。その三、時間が合う日は一緒に食事をする」
光一「一、二はわかるけど、三はなにか意味あるの?」
光一は眉根をよせて、せっかくの提案に水を差す。
華「食卓を囲むって家族にとって、一番大事なことじゃない? その日にあったことを話したり、食後にテレビ見て笑ったり」
光一「ふぅん、そういうもんかね。じゃあ、どうでもいい宴会とかは断ってできるだけ早く帰るようにする」

珍しく、というか初めて? 素直に受け入れてくれるようだ。
逆に、彼からの譲れない要望はひとつだけだった。
光一「寝室は別。これだけは勘弁してくれ。目が覚めやすいほうだから、他人の気配があるとダメなんだ」
華「わかった。そこは文句言わない」
光一「あぁ、別に夫婦生活を拒否したいって意味じゃないよ。そこは華が望むなら……」
華「そういうのは、当面いいですっ!!」
華の肩に腕を回そうとする彼を押しのけ、ぷいっと顔をそむけた。

こうして、ふたりの試行錯誤の日々は幕を開けたのだった。
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