【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
悠里「いやいや。どう考えても、超あやしいじゃん。なにその使い古された口説き文句は」
華の話を聞いた悠里は呆れ顔だ。
華「話だけ聞くとそうかもしれないけど、実際にあの爽やか笑顔で迫られたら、抗えないよ〜イケメンはある意味、凶器なのよ」
少なくとも、あの時の華は抗えなかったのだ。あの瞬間、憧れが恋に変わったのだから。

悠里「だいたい、会社の受付嬢ってせいぜい十数人でしょ?よほどの馬鹿じゃなきゃ、名前くらい覚えるでしょ」
華「全員で九人だけど‥‥光一さんみたいなエリートからしたら私なんて受付嬢その三みたいな存在だと思ってたから」
悠里「それは自分を卑下しすぎ」
悠里はそう言うけど、華にとって光一は本当に雲の上の存在だった。同じ職場で働いているとはいっても、仕事以外で言葉を交わすことなんてあり得ないと思っていた。
華「憧れのアイドルに話しかけてもらったら、誰だって舞い上がるでしょう?私にはそのくらいの事件だったのよ」
悠里「まぁ、わからなくもないけどねぇ。で、まさか、その日のうちにお持ち帰りされたわけじゃないでしょうね?」

今日の悠里は結構細かいところまで追求してくるつもりのようだ。
華「まさか!普通に楽しく飲んで、その日は解散。光一さんは私以外の女の子とも楽しそうに話してたし、まさか付き合うことになるなんて思ってもいなかったよ」
そう、だから後日デートに誘われたときはなんのドッキリかと思った。
悠里「まぁ、たしかに‥‥。華は普通に可愛らしいと思うけど、あんたの会社、美人ばっかりだもんね。なんで華って疑問に思うわよね」
華「そうなの! 会社の男性陣がやってる社内美女ランキングってのを耳にしたことあるんだけどさ‥‥私はもちろん圏外だったわよ」

ちなみに一位はシステム課にいる常務の娘。雑誌の読者モデルとかもしているらしい本物
の美女。受付嬢からは華の後輩の美香が三位にランクインしていた。
‥‥そんなわけだから、華は当然聞いた。彼に付き合って欲しいと言われたときに、なぜ自分なのかと。

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