きみが泣いたら、愛してあげる。
14.ずっときみが好きだった

14.ずっときみが好きだった。


○杏花の部屋


ふたりでタルトを食べながら話す。


圭「まず、留学のことだけど…

1ヶ月後にはカナダに行く予定になってる。これは杏花さんと出会う前から決めてたことで、1年間は向こうにいるつもりでいる。」


杏花「…うん、そっか」


圭「それから、好きな人の話だけど…


重いって、思われるかもしれないけど」



少し照れたように頬を染めて、決まり悪そうに目をそらす圭。不思議そうに見つめる杏花。



圭「俺、ずっと杏花さんのことが好きだった。あの日、声かける前から」

杏花「え…?」


圭が杏花を見かけていた時の回想。


圭「大輔さんの会社と俺の大学って近くて、よく遅くなった日の帰りとかに見かけてたんです。杏花さんが会社の前で猫の写真撮ったりしながら大輔さん待ってるの」


杏花「う、うそ…!?」



圭が杏花に初めて声をかけた時の回想。

本当はすごく緊張していた圭。



圭「猫触ってる時の顔が可愛くて、彼氏を待ってる姿が健気で、なんかずっと気になってて。

そうしたらあの日、浮気現場見ても涙すら流さない杏花さんのこと、うまく言えねえけど、守りたいと思って。

俺なら「1人で生きていけそう」だなんて言わねえし、いつもいつも会社の前で待っててくれた愛にちゃんと気付くし、悲しいときはちゃんと泣かせてやるのにって」


杏花モノローグ(な、なにそれ…頭がついていけない…)


圭「留学の件は黙ってて悪かった。
でも今、杏花さんのこと手に入れないまま留学に行ったら1年の間に絶対取られるし、杏花さんが親の会社の人だって知って……
焦って結婚とか言って、困らせてごめん。

でも、1年離れるのが嫌なんだったら留学やめてもいい。それくらい杏花さんのこと本気ですから」


杏花「ちょっと……色々びっくりしすぎて、わかんないっていうか」

圭「うん、よく考えてから返事してほしい」

杏花「わ、わかった」

圭「…じゃあ、今日はおやすみ」


そっと杏花の頬を撫でる、圭の冷たい手。
杏花は俯いたまま、頬を赤く染める。




○1週間後


モノローグ(1週間後、私は毎日毎日悩んだ結果、答えを出した)


スマホを操作する杏花の指。

『西田 大輔』の番号をコールする。




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