後輩はレンタル彼氏

津雲、回想

奈帆と理沙がランチを食べていた定食屋。
彼女たちは気づいていなかったが、すぐ近くのカウンターに津雲は座っていた。

理沙「恋人、どうして作らないんですか? 奈帆さんかわいいし、気配り上手だし。引く手数多だと思うんだけどなあ」

 思わず聞き耳を立てる津雲。

奈帆「そんなこと、ないよ」

理沙「誰か気になる人、いないんですか?」

奈帆「憧れてる人はいるけど……。私には高嶺の花だから」

津雲(憧れてる人……か)


 何かを話し込んでいる様子の二人。
 ひそひそ声はさすがに津雲まで聞こえない。

 次に聞こえてきたのは驚く内容。

理沙「だったらつぐに頼んだらいいじゃないですか。奈帆さんを慕ってるし」

奈帆「津雲くん!? 頼めないよ! ヤダ。頼んだりしないでよ?」

津雲(何を、頼めないんだろう。藤野先輩の頼みなら、たいていのことは喜んでやる自信あるのに)

理沙「だって〜。つぐってあんなキャラですけど、黙っていればカッコイイし、適任ですって! 奈帆さんの恋人役!」

津雲(恋人役!?)

 思わず咳き込みそうになる。

 二人の話は進んでいき、『レンタル彼氏』と聞こえた。

 何かを考えているような津雲。

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