後輩はレンタル彼氏
お酒が進み、ずいぶんと酔ってきた頃
津雲「あー。本当、仕事終わりのこれがあるから頑張れるんです」
奈帆「これ? って?」
津雲「藤野先輩と飲みに行ける至福の時間」
とろんとした目で言われ、奈帆はさりげなく視線をそらす。
奈帆「好きだね。飲むの」
津雲「違いますって! 藤野先輩とだから嬉しいんですよ。俺、藤野先輩、好きだって何回も言ってるじゃないですかー」
奈帆「はいはい。飲み過ぎてるんじゃない?」
津雲「まだまだ飲み足りないくらいですよ」
奈帆、軽く笑って受け流す。
奈帆(慕ってくれてるのはわかるけど、好きだなんていつもの軽口。
けれど、同僚として信頼し合って、冗談を言い合える津雲くんとの時間は心地いい)
少し思いつめた顔つきで。
奈帆(だから、この関係を失いたくない)
奈帆、居酒屋から帰って自宅のアパートで
奈帆(どうしても。レンタルしてでも私には恋人が必要だから)
手にしているスマホには昼間、理沙と見たサイト『ラブスイート』が表示されている。