友達イジメ
☆☆☆

１年Ａ組の教室はドアが閉められていて、中の様子はわからなかった。


近づいて耳を澄ませてみると、生徒のザワメキだけが聞こえてきて先生の声は聞こえてこない。


時間的にももうホームルームは終わっているし、たぶん大丈夫だろう。


あたしがそう考えているとサチが教室後方のドアをそっと開けた。


薄く知ら開かれたドアの間から中を確認してみると、どこにも先生の姿はなく生徒たちも変える準備をしているところだった。


ホームルームが少しだけ長引いたのかもしれない。


教室内を見回してみると、窓辺の席にコトネの姿を見つけた。


得に変わった様子はないようだけれど……。


そう思った時だった。


昼間会話をした４人の内の１人がコトネへ近づいて行くのが見えた。


コトネはその姿に緊張したように周囲を見回している。


女子生徒がなにか話かけると、コトネは青ざめた表情で左右に首を振った。


なにを話しているのかわからないけれど、怯えていることは確かだった。


あの後ちゃんと動いてくれていたみたいだ。
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