友達イジメ
そう注意しながらも、あたしも我慢することがやっとだった。


でも、これだけじゃ足りない。


今日はもっともっとイジメないと。


じゃないと、ウサギ小屋が出てこないんだから。


あたしは握りしめたハサミを今度はリカコの耳に押し当てた。


少し挟んでみると、とても柔らかな感触が指先に伝わって来た。


人の肉の感触だ。


その瞬間、ゾクリと背筋が寒くなった。


恐怖心ではなく喜びに似た寒気だった。


「動かないでよ? ちょっとでも動いたら変なところを切っちゃうから」


リカコへ向けてそう囁く。

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