友達イジメ
いつの間にか、自分の中にあった怒りは殺意へと変換されていた。


とにかく目の前にいるリカコを攻撃していたかった。


じゃないと、気持ちが治まらない。


殴り続けていると次第にリカコの動きは鈍くなり、完全に目を閉じてしまった。


「アキコ、その辺でやめた方がいいよ」


スズにそう言われてあたしはようやく我に返った。


自分の下で気絶しているリカコを見下ろし、大きく呼吸を繰り返す。


殴りすぎたせいで、自分の拳も痛くなっていた。


「どうする? ほっといて帰る?」


息はあるみたいだし、ほっといてもいいと思う。


だけど、やる事はまだ終わっていなかった。


「リカコのせいでユウジとの関係が悪くなったんだから、元に戻してもらわないといけない」


あたしはゆっくりと立ち上がり、そう言った。


「でも、どうやって?」


そう聞いてくるスズに、あたしはニヤリと笑ったのだった。
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