後輩には逆らえない
繭ならやりかねないだろう。瑠衣は浮気をしないことを誓った。

「じゃあ、また明日!」

繭はそう笑って家の中へ入って行った。微笑んでそれを見ていた瑠衣は、繭がいなくなった瞬間に大きくため息をつく。

ちょっと怖い一年生と付き合うことになった今日。こんな始まり方でも、最後にハッピーエンドはやってくるのだろうか。

「……まあ、楽しむか……」

瑠衣はひとりごとを呟き、家へと歩く。

せっかくハリー・ポッターのことを話せる人ができたのだ。その時間を楽しもう、そう瑠衣は決めた。

「インペリオ!」

繭が服従の呪文をかけるところを想像し、繭なら絶対にするなと瑠衣は笑った。
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