オトナだから愛せない
「君だから好きになった」









夕方、皐月くんから送られてきたメッセージはそれだけだった。




「全然、既読にならない……」




学校が終わり家に帰ってきてソファの上で絶賛スマホと睨めっこ中。



今日は皐月くんとご飯に行く約束をしていた。でも、どうやら皐月くんは行けないらしい。



仕事が忙しいのかな?電話したら迷惑かな?そんなことをうだうだと考えていれば外で鍵の開閉音が聞こえた。



このマンションのこの階には皐月くんと、私しか住んでいない。スマホで時間を確認すればまだ6時過ぎ。



皐月くん?



パタパタと駆けて玄関の扉を思い切り開き、隣の家の扉を見ればぐったりとした皐月くんが扉に手をかけていた。




「え、皐月くん大丈夫!?」

「あ……。なんで……出てくるかな……」




そう言った皐月くんの額には汗が滲んでいて呼吸も乱れなんだか苦しそうだった。




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