文の幸福
14
・大谷　義side


報告を受けて、ため息を吐きながら、受話器を置く。

最近の息子素行は良かった。

バツとして、経営難の図書館に入ってもらったが、あの古いシステムの中で、最大限に力を発揮してがんばっている。

私との約束の水泳も真面目に頑張っている。

正直、私の息子だがここまで言いなりになるとは思っていなかった、

それまでの息子は女遊びが激しく、夜な夜な町を徘徊していた愚息だった。

成績こそはよかったが、それ以外は社会不適合者そのもの。

あのハッキングで捕まったのは、無駄ではなかった。

しかし、“Lee”が動いた。

“Lee”が警察庁の情報から数人の未成年のデーターを消してしまったらしい。

“Lee”は仁にハッキング技術を教えた疑惑がある謎の者。

仁はその事を隠していたが、手口といい、 “Lee”ほどではなかったが、彼から教わったのは明らかだと報告を受けていた。

仁が関わっていないか、確認が必要だ。

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