文の幸福
・静香side


あー眠い、まだ、十一時なのに、叩き起こされて、親行きつけのショップに向かう。

ダラダラ歩いていると、少し前をモソモソ歩く見慣れ猫背の後姿。

「文―、こんなとこで何してんの?」

文のイヤホン抜きながら声をかける。

「あ!静香!おはよ!静香こそ!私はバイトの面接。」

「バイト?あたしは、来週の服の受取。」

「あー、前言ってた、パーティーの?いつも、いつも大変だね」

「仕方ないよ、美容学校に通える条件なんだもん。ねー暇?付き合ってよ。」

「いいよ、面接終わったし、」

「なんのバイト?」

「イベントのウエトレスみたいなやつ。日雇いだから、すぐにお金もらえるし」

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