愛され女子になりたくて

冷蔵庫から冷えたビールを取り出して、ソファーにどっかりと座り寛ぐ健吾さん。
身の置き所がわからずモジモジしてると、自分の隣りをポンポンと叩く。

「こっち来て座りなよ」

「うん」

何とか返事を返して、おずおずと隣りに移動すると、ポスンと座った。

「花菜美は明日、どうする予定?」

「10時には、搬入に業者が来るから、荷物の整理をして、午後は足りない物の買い物に行こうかなと・・・」

「うん。じゃ、午後俺がクルマ出すから、一緒にショッピングモール行かないか?」

「モール・・・行きたい!でも、イイの?健吾さんゆっくりしたいんじゃない?」

「偶には、買い物もイイだろ。一人で居ても退屈だし。俺も久しぶりに行って見ようかなって。同居の記念に何か使えそうなもの、買わない?」

「うん。良いね。さっきキッチン見せてもらったけど、いくつか買い足したい物が有るから、助かる」

「じゃ、決まりな!」

「なんか、楽しみ」

「じゃ、明日もある事だし、そろそろ寝ようか?」

「う、うん・・・」

二人で、健吾さんの部屋の前に。

「ようこそ、俺の部屋へ」

目の前に存在感のあるキングサイズのベッドが、どばーんと置かれた部屋は主寝室だけあって広い。
ルームランプの照明が淡く照らす先には、ダークブルーの遮光カーテンがかかる窓。
カーテンと同系色のベッドカバーで、シンプルで落ち着いたテイストに纏められている。

「健吾さんらしい、部屋だね・・・」

「どういう事?」

「うん・・・落ち着きつつも、効率的っていうのかな?シンプル・イズ・ベストって感じ」

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