愛され女子になりたくて
健吾さんを好きになって、モカちゃんに健吾さんが片想いしていると知って、やっぱり自分は選ばれないんだと、悲しくなった。
それでも、好きな気持ちは消えてはくれなくて・・・ただ想っているだけで良かった。

思いがけず、健吾さんと暮らす事になって・・・いつの間にか、欲張りになっていたのかも知れない。

健吾さんに、愛されたいと・・・。

でも、いざ健吾さんから好きと言ってもらって、プロポーズされたのに・・・自信が無い。
このまま結婚して、いつか健吾さんに好きな人が出来たら・・・私は、生きて行けるのだろうか?

「健吾さん、凄く嬉しい。でも、私・・・自信が無い。今まで、こんな風に、私を選んでくれる人は、誰も居なかったの。仲良くなっても、結局お姉ちゃんを好きになったり、モカちゃんが好きになったり、最終的に、私は好きになって貰えなかったから・・・」

「俺はちゃんと花菜美を選んだ。花菜美と家族になって、子供を作って、孫に囲まれて、一緒の墓に入るまで花菜美を離すつもりは無いから」

「健吾さん・・・」

「ゴメンな、ちゃんと付き合うってプロセスを踏んでやれなくて・・・花菜美が可愛くて、離してやれない。だから、結婚してくれ」

そう言って、唇を塞がれた。

私・・・健吾さんにキスされてる。
咄嗟に息をしようとしたら、健吾さんが舌を入れて来て、私の舌を追いかけまわす。

「・・・んっ、ふっ・・・」

自分の鼻にかかったような声が、漏れて酔ってしまいそうになる。
やっと唇が解放されて、息も絶え絶えになっている耳元で健吾さんが囁く。

「花菜美、結婚するよ」

私は声が出せない代わりに、頷いた。

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