愛され女子になりたくて
ボチボチ頼んだ料理が届き始め、二人でシェアしながらお腹に収めていく。

「カナはさ、青山さんの何処が良いわけ?」

「えっ?イキナリどうしたの?」

「カナ、青山さんが好きでしょ?」

「・・・どうして?」

「いつもはさ、モカが居るからこの話題は避けて来たけどね。カナはわかりやすい!」

ワインでほんのり酔いが回ってきたのか、祥子ちゃん・・・目が据わってるよ。

「モカはさ、天然で鈍いから気付いてないけど?祥子さんの目は誤魔化せないよ」

「・・・優しいから。かな・・・」

「優しいなら、あんなに分かりやすくモカに迫る?周囲に丸分かりじゃん。私は青山さんより中野さんのが、カナに優しいと思うよ」

「確かに、中野さんは優しいよ。中野さんから青山さんに上司が変わって、私は何度も助けて貰ったし、仕事だって教わる事も多いのよ。青山さんの優しさは、他の人には解りにくいかもだね・・・でも、私は優しい、って思ったんだよ」

「ふうん、そんなもんかねぇ。でさ、告らないの?」

「ううん。青山さんの好意は、モカちゃんに向いてるし、私は見てるだけで・・・。青山さんとどうにかなりたいなんて、思ってないよ。青山さんが幸せで、私に笑いかけてくれるだけでいいんだよ」

「・・・難儀な性格だね、カナは。あんたかなり人気有るのにさ。開発部とか、マーケティング部のヤツらなんかにさ。不毛な恋してないで、他にも目、向ければイイのに」

「心配してくれて、ありがとうね。祥子ちゃん」


< 9 / 59 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop