無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる



『これからは隠し事なしだからね。約束やぶったら、未桜の嫌いなカエル100匹用意してやる....!』


.....隠し事ばかりの自分に、ほんとうに嫌気が差す。


このままじゃいけないと、わかってる。


ウジウジ悩んで、ぜんぶ自己完結をしたままの今が、いちばんダメだってことも。


だけど、どうしても、思い出そうとするほど、頭のなかが真っ白になって、漠然とした恐怖に溺れてしまう。


どうしたら思い出せるんだろう、そのことだけをずっと考えていて....、ふと、思い付いたことがある。


必ず夢に出てくるあの公園─────あそこに行けば、なにか掴めるんじゃないか、と


私と香山との接点のはじまりは、多分あの公園。


恐怖の根元は、そこにある気がする。



『香山が捕まれば、すべてが終わる』



.....終わる前に、知りたい、と思うから。


スマホの時刻を確認すれば、8時20分。


今日は金曜日────で、お母さんは一日中家にいる。


『土曜日、私と司ちょっと用があって。家にひとりでも大丈夫?』

『うん、大丈夫だよ』


.....行くとしたら、明日....だ。


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