無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
''律くんがいてくれたから''とか、重かった....!?
今ので私が律くんのこと、すき....ってバレてしまった、とか?
「う、あの....っ。律く───「....いすぎか」
「え?いすぎ....なに?」
被せられた言葉に首を傾げると、深いため息が吐かれて。
「なんでもねーよ。あほ」
「律くんって電話になると意地悪になるよねっ!?」
前に電話をしたときも、''あほ''とか''ばか''とか散々に暴言吐かれたし....!
む、と頬を膨らせていると、未桜、って囁くみたいな声で。
「────頑張ったな、未桜」
「っ、」
やさしさだけを掬ったような声色は、驚くほどに温かくて、泣きそうになる。
トク、トク....って、心地いい音をたてた音が、温もりとなって伝っていく。
「っ、ほんとう、律くんにはもらってばっかりだよ」
「....俺が、おまえから貰ってるんだけどね」
ふ、と吹き出すみたいに笑う律くんに、ほぼ無意識にこぼれた言葉。
「私に、なにかできることある....?」
なんでも、些細なことでもいい....から。
すこしでも、もらったやさしさにお返しをしたい。