無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる



「なんでそんな笑ってるんですか!」



睨みながら声をあげれば、松岡くんはゴメンゴメンなんて言いながら、やっと姫の意味を教えてくれた。



「姫っていうのは、総長の彼女がなるものなんだよ。

だけどやっぱり危険も伴うから、姫は、族の奴ら全員で守るってワケ」



総長....桜雅くんの彼女が、姫。


────ということは



「え、私が姫ですか....?」



自分を指差しながらそう言うと、今更かよ、みたいな目を桜雅くんに向けられる。


ひめ、姫って...私に一番似合わないというか、不釣り合いな言葉ですけど....。



「ククッ。最初律が未桜ちゃんを彼女にしたときは驚いたけど...そんなに仲いいなら大丈夫だよねえ~」


松岡くんはニヤニヤと笑いながら、クイッと口端を上げる。


< 57 / 430 >

この作品をシェア

pagetop