無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
「なんでそんな笑ってるんですか!」
睨みながら声をあげれば、松岡くんはゴメンゴメンなんて言いながら、やっと姫の意味を教えてくれた。
「姫っていうのは、総長の彼女がなるものなんだよ。
だけどやっぱり危険も伴うから、姫は、族の奴ら全員で守るってワケ」
総長....桜雅くんの彼女が、姫。
────ということは
「え、私が姫ですか....?」
自分を指差しながらそう言うと、今更かよ、みたいな目を桜雅くんに向けられる。
ひめ、姫って...私に一番似合わないというか、不釣り合いな言葉ですけど....。
「ククッ。最初律が未桜ちゃんを彼女にしたときは驚いたけど...そんなに仲いいなら大丈夫だよねえ~」
松岡くんはニヤニヤと笑いながら、クイッと口端を上げる。