無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
こ、個性的って....。
悠莉の容赦のない言い様にも、もう慣れたものだ。
「....お父さんとお母さんがとっちゃダメだって言うんだもん」
──そう、私がこの格好をやめられないのは、もう1つ理由がある。
そもそも、この地味子ファッションは両親からの命令で始まったものだ。
当時、小学一年生だった私は、なんの疑問も持たずに、その命令を受け入れた。
だけど、年を重ねていくうちに、『何で、私だけこんな格好なんだろう?』と疑問を持ちはじめて。
「中学三年生の時にこの格好やめたいって言ったんだけど。いまだに、許可が出なくてですね、」
「ドンマイ、未桜」
口角をあげて、ケラケラ笑う悠莉。
言葉と表情が合ってないんですけど.....!!
薄情な親友を一睨みしながら、心のなかでため息をついた。