無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる



そして、彼の瞳が私を捕らえた。


あ、れ....なんか、嫌な予感がする。


視線が重なった瞬間、桜雅くんの口角が怪しく上がったような気がして。


まるで、なにかを企んでいるかのように。



「おはよ、未.....「っ、お、おはよう!桜雅くん!!」


名前を呼ばれると瞬時に判断した私は、必死に言葉を紡いだ。


ぎ、ギリギリセーフ.....っっ!


安心のため息をついたと同時に、朝礼を知らせるチャイムが鳴った。


よしっ、とガッツポーズをする私とは対照的に、律くんはチッと軽く舌打ちをする。


ひぃ....機嫌を損ねてしまった。



「おーい、席につけー!」


担任の先生の言葉で、律くんの視線から逃げるように、急いで自分の席へと着いたのだった。



< 80 / 430 >

この作品をシェア

pagetop