無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
そして、彼の瞳が私を捕らえた。
あ、れ....なんか、嫌な予感がする。
視線が重なった瞬間、桜雅くんの口角が怪しく上がったような気がして。
まるで、なにかを企んでいるかのように。
「おはよ、未.....「っ、お、おはよう!桜雅くん!!」
名前を呼ばれると瞬時に判断した私は、必死に言葉を紡いだ。
ぎ、ギリギリセーフ.....っっ!
安心のため息をついたと同時に、朝礼を知らせるチャイムが鳴った。
よしっ、とガッツポーズをする私とは対照的に、律くんはチッと軽く舌打ちをする。
ひぃ....機嫌を損ねてしまった。
「おーい、席につけー!」
担任の先生の言葉で、律くんの視線から逃げるように、急いで自分の席へと着いたのだった。