無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
すると、手をヒョイヒョイと振りながら隣を指差す。
「....?」
もしかして、隣に座れってこと?
そう解釈することにして、律くんの隣にちょこんと腰かけた。
すると。
「っ....ひゃ」
大きな手が後頭部に回ったかと思うと、そのまま胸に引き寄せられた。
ふわりと甘い匂いに包まれて、心臓がわかりやすく音をたてる。
「あ、の、りっ、律くん....?」
あわあわと顔を上げると、グッと下唇を噛みしめながら眉を下げる律くんの姿。
「....怪我させて、助けんの遅くて、ごめん」
悔やむように、ぐっと拳を握りながら、律くんは謝罪の言葉を口にする。
....なんで、律くんがそんな悲しい顔するの?
「律くんが謝ることじゃないよ。これは、私自身の問題だから」
律くんが責任を感じることなんて、これっぽっちもない。
それに、律くんは....。
「───守って、くれたよ」