無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
「未桜、朝から明らかに様子変だったし。どうせ、靴箱に手紙でも入ってたんだろ」
「う.....、その通りでございます」
律くんの推理どおり、朝登校してみると一通の手紙が私の靴箱に置いてあった。
差出人はなく、【だれにも内緒で、昼休みに校舎裏に来い】という内容のもので。
文の口調から考えて、マンガなどでよくある『告白....!?』みたいな展開は一切ナシで、少しだけ虚しくなったんだよ。
「....次、変なことされそうになったら必ず俺に言うこと。わかった?」
「ひょ、ひょぇ....っ、わきゃりましたぁ」
グニッと頬を両手で潰され、上手く喋ることができない。
もう~~、急になんなの律くん!
「ふは、....アホ面」
「なっ、意地悪だ....!」
律くんの暴言に反抗しようと、顔を上げたら。
熱っぽい瞳にぶつかって、ドク、と脈打って、そらせなくて。
「ありがと、未桜」
やさしく囁かれたかと思うと───保健室に響いたちゅっ、というリップ音