晴れ所により雷雨、所により告白【続編完結】
「結局、智也を信じられなくなって、
 興信所に調べてもらったら、浮気相手が
 一人二人じゃなくて…
 定期的に会ってるのは、二人なんだけど、
 その場限りの相手がたくさんいて…
 その報告書を智也に見せたら、最初の
 写真を送ってきた人も本命じゃないって
 言い出して…
 今後、私一人にするなら、許そうと
 思ってたのに、元々、私も浮気相手だった
 って言われて… 」

そこまで言って、雪菜は声を詰まらせた。

「雪菜、もういいよ。
 辛かったね。」

私は、子供を抱く雪菜の背をそっとさすった。

「智也の本命は、晶だったって…
 もう5年以上、付き合って来たのに、私が
 妊娠したせいで別れたって…
 本命の晶と別れてまで結婚してやったのに
 たかが浮気で文句言うなって言われて…
 我慢できなくて… 」

「ひどっ!
 智也、最低だね。
 あんな奴、別れて良かったんだよ。
 もう忘れよう?
 雪菜は私の自慢の親友なんだから、
 今度こそ、いい出会いがあるよ。」

妊娠の責任は智也にもあるのに、なんて言い草。
しかも、本命が私!?
だったら、浮気しないでよ!
ああ、むかつく。

「晴空は、かわいいの。
 すっごくかわいいのに、智也の子だって
 思った瞬間にかわいくなくなるの。
 私、こんなんで、ちゃんとこの子のこと、
 育てられるのかな?
 いつか、虐待とかしちゃわないかな?」

雪菜が肩を震わせる。

「雪菜!!
 それは、言っちゃダメ。
 分かってないと思ってても、きっと
 晴空ちゃんは感じてるよ。
 辛いかもしれないけど、晴空ちゃんに罪は
 ないから。
 かわいい、大好きって言って育てて
 あげよう?
 ご両親も頼って、無理な時、
 煮詰まった時は、助けてもらおう?
 ね?」

雪菜は、泣きながら、うんうんと頷いた。
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