夜明け3秒前
自分の部屋に戻って、ぼふんっとベッドに腰掛ける。
サイドテーブルに置いてあった携帯を開くと、何件か通知が来ていた。


気になって確認するとひとつは流川くんからで、旅行の日のことについてメールしてくれたみたいだ。


『待ち合わせは朝の8時にしようかと思うんだけど、凛月は平気?』
『平気だよ!ありがとう!』


文章だけで流川くんの優しさが伝わってきそう。
……早く、逃げたい。


しばらくぼーっとしたあと立ち上がって、用意していたキャリーケースを開く。
旅行に、この家から出るための荷造りをするために。


早く時間が進んでほしいと心から願った。
< 60 / 192 >

この作品をシェア

pagetop