少女漫画的事柄










「最近いい感じじゃない?」


「…何が?」


「とぼけるふりが上手じゃない、鈴。いい感じじゃないと言えばアンタらのことに決まってるでしょ?」





放課後。


掃除を終えた葵はあっけからんとそう言い放った。
深くため息を吐きながら箒をロッカーに仕舞う。






「まったくそういうのないから。神楽坂くんはそういう人なの。わかるでしょ、誰にでも優しい完璧人間なんだから。そうじゃなきゃ、私なんかに話しかけないでしょ」



「卑屈だなぁ、鈴は可愛いよ。三つ編み辞めてメガネ外したら絶対モテるって」


「今時そんな少女漫画的事柄ないよ」








そういいながら私は席に着く。





「あれ、帰らないの?」


「うん、一時間ぐらい勉強してから帰る。テスト近いし」








何故家で勉強しないのかというと、妹がいるからだ。
遊び盛りの10歳と5歳の妹がいると家が大戦争状態になる。




自室には鍵が掛かっていないため妹らが部屋へ転がり込み騒ぐだけ騒いで、暴れまわる。


とても勉強できる環境ではないのでテスト2週間前だけ教室で一時間程度勉強するのだ。








高校二年生初の定期テスト。学年一位の座はキープしたい。











バイトが控えている葵と別れた後、私はスマホを取り出しイヤフォンを耳に装着した。暫くすると今ハマっているアニメのオープニングが流れ始めた。



これが私の勉強法。







派手なドラムの音に負けない存在感のボーカルが歌い出す。上々の滑り出し。聞いていてスカッとする。






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