恋なんて、しないはずだった

｢大我って.......｣


｢な、なんだよ｣



俺のことをジトーと見る碧。



｢言い方がいちいちキザだよね。空いてるんで良くない？｣


｢うるせーな。いいから答えろよ。どーなんだよ｣


｢あいにく空いてませーん｣


｢.......そうか｣



なんだろう、勝手にOKしてくれるもんだと思ってた。
そりゃ、碧にも都合くらいあるのに。



｢アズと慎吾とお祭り行くんだけど、大我もくる？｣


｢はぁ？｣



碧の口から出た名前に、プチンとキレそうになってしまう。



｢なんか怒ってる？｣


｢なんで、アズと慎吾と行くんだよ。俺と行けよ｣



我ながら、傲慢だとは思う。
でも、なんでその2人と行くのに、俺がいねーんだよ。



｢あれ？なんかアズが大我は来れないって言ってたって｣


｢あ？あぁ.......｣



忘れてた。
どうしても碧と二人で行きたくて、アイツの誘いは断ってたんだった。

なのに、なんかわかんねーけど、誘えなくて結局先を越されてしまってる。