同期は蓋を開けたら溺愛でした

「な、んで。行かなきゃダメなんでしょ?」

「そうだけど、行かないでって言われたい」

「……言ったって行くくせに」

 大友は悪い顔をすると私の手を取って、いつもみたいにキザな手の甲へのキスをするのかと思いきや、指先を甘噛みをした。

 ゾクッと背すじが疼いて、力なく大友にもたれかかる。

「ほら、言って」

 甘く囁かれ、ダメ押しでもう一度優しく唇を重ねられる。
 唇の形を確かめるように触れるキスがもどかしい。

「やだ。ちゃんと、キス、して」

 吐息交じりにこぼすと、グッと抱き寄せられ、舌をねじ込まれた。
 息を乱れさせ、ゾクゾクと背すじに走る痺れに体をよじらせて大友にしがみつく。

「俺が離せなくなる……」

 艶かしい大友の声に体の奥が疼いて本音が漏れた。

「このまま……離さないで、お願い」

 潤む瞳を向け、懇願した私の体はギュッと強く抱きしめられたあと、無情にも離された。


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