孤独な私が愛を見つけたら
3
今日は会社に行きたくない。

私は鏡に映る自分の不細工な表情すら目に入らない。

吉田さんの会社との打ち合わせに珍しく同席する予定。

営業の担当が坂下さんだなんて、冗談だと言って欲しい。

出社したら三井さんに代わってもらえないか頼んでみよう。

でも…。

そうすると三井さんに坂下さんとの出来事も話さなくてはならない。

しかも自分の仕事を放棄することになってしまう。

「う~ん。」

私はしかめ面をしながら、渋々出勤をする。

「おはよう、宮田。」

会社に入ろうとしたところで掛けられた声に、私は首をすくめる。

「今日の打ち合わせはよろしく頼む。」

坂下さんは私の顔を見ると、ニヤリと笑った。

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