私の主治医はお兄ちゃん






それから3日が立った。



優「美音。診察すんぞ。」


美「うん…」

本当はしたくないけど優也兄に迷惑がかかるだろうから素直に返事をした。



優「おりこうさんだな。」

そう言って頭をポンポンと撫でてくる優也兄。

そんな優也兄に対して



美「子ども扱いしてる~」

っと言って頬を膨らませると



優「俺からすると子供だよ。」

って笑いながら言われてしまった。



優「はい、じゃ傷口の消毒な~」



優「はい終わり。よく頑張りました。最後は血液検査ね?」

美「き、聞いてない!」


優「今言ったんだから当然だ!」

そう言ってほほ笑む優也兄。


優しく微笑んだって悪魔にしか見えない……



でも…


私は腕をまくり優也兄の前に出した。





驚いた表情をしている優也兄。

でもその顔はすぐ優しい笑顔に変わった。


そして駆血帯を巻きどこにさすか見極めている。



優「よし、…ちょっとチクってするぞ~」

そう聞こえた瞬間に感じた痛み。








美「……っ!…ヒック……」



痛みに耐えられずにこぼれてくる涙。



優也兄はその涙を拭って頭をなでてくれた。

優「よく頑張ったな。じゃ、帰る準備しておいてな!」


そう言って病室を出て行った。





今日は退院の日。

そして私は優也兄と二人で暮らすことになった。


理由はあのおうちに帰るとたくさん思い出してしまうから。

大丈夫と言ったけど優也兄達の気遣い。

それに優也兄が用意してくれたマンションの方が医療道具が揃えやすく何かあった時の対応がしやすいとの事。





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