私の主治医はお兄ちゃん






委員会が終わり俺は教室へ一回戻った。


美音の教室をちらっと覗いてみると机に突っ伏して眠っている美音の姿があった。



こんなとこで寝るなんて…

全く呑気というか…
無防備というか…


ほんとう心配でしかねぇよ…





美「ん………」

駿「美音!起きろ。帰るぞ。」


美「わ~駿介だ~!」

そう言ってにっこり微笑む美音。



…寝ぼけてんのか?



駿「ほら、早く帰るぞ。」


美「うん。」




美音をこのまま病院にも連れて行かねぇと…


ま、俺も検診なんだけどね!



美音嫌がんなきゃいいな…




美音と一緒に学校を出て、俺たちは帰った。

今日午前中で学校終わると思ってたからお昼ヲ食べ損ねた。



美音になんか食わせないとだし…


一度優兄と美音の住んでいるマンションによって遅めの昼食を食べてから、再びマンションを出て病院に向かうことにした。








美「ねぇ駿介…」


駿「ん?」


美「もしかして病院向かってる?」


駿「うん。美音もだけど俺も呼ばれてるんだよ。」


俺がそう言うと歩いていた美音は足を止め振り返り家のある方向へ歩き出す。





駿「美音!!ちょ…待てよ!!」


咄嗟に俺は美音の腕をつかんで止める。




美「………っ。」


でも美音の目にはたくさんの涙が溜まっていた。



最近『検診とかわがまま言わずに受けてくれる』って優兄も言っていたけど…


そんなの今まであんなに病院嫌いだった美音がそんなすぐに変わるわけなかったんだ。



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