私の主治医はお兄ちゃん

美音side







嫌と言ったのに駿介に連れてこられてしまった病院。


本当はものすごく怖くて今にも逃げ出したい…



でもそんな私の心を読み取ったかのように駿介は黙って手を強く握ってくれた。


優「じゃ、美音痛いけど少しが我慢な。」

そう言って優也兄は私の腕に針を刺した。




……痛い。

私は目をぎゅっと瞑った。



優「よく頑張ったな。終わったよ。」


美「……ヒック。」

泣きたくもないのに溢れてくる涙。

駿介は頭がとれるんじゃないかってほど強く頭をなでてくれて、私も少し元気が出た。




優「じゃー次は心電図な。」


…え?
まだあるの?



美「も…むりぃ…」


思わず口に出てしまった言葉。

そんな言葉に一番に反応をしてくれたのは優也兄だった。



優「無理…か。…じゃあ今日はやめておこうか。」


駿「うん。やめよう。」


美「ほ、本当?」


優「おう!」


美「良かった…」






湊「いやいや!!待って!」

そんな私たちを見兼ねて口を出したのは湊斗兄だった。


優「何?」


湊「美音…心電図は痛くないよ?頑張ろうよ…」


美「嫌!!」


優「嫌って言ってんだから今日はやめよ。」


湊「ええ?いや、なんで今日はそんなに甘いんだよ…」



湊斗兄…
余計なことを…

優「美音が嫌って言ってるから…?」

湊「え?」

なんだか頭がこんがらがっている様子の湊斗兄。



優「俺は今日は美音がちゃんと来て血液検査しただけでもえらいと思ってるよ。」


美「…」


優「それに今日は美音の口から嫌と聞けただけで充分じゃん。でも…体育祭始まる前にはちゃんと受けような。」



そう言って優也兄は私の頭をポンポンと優しい笑顔でなでてくれた。




< 142 / 296 >

この作品をシェア

pagetop