メランコリック・ラブ
「絶対にね、大槻クンは学校の何処かでサボってたのよ、
いたはずなの!絶対!!」
「あー、はいはい」
長々と続くミズの妄想劇につきあいながら
オレは小さくため息をついた。
腰くらいまで伸ばしてある柔らかい髪に
長い睫 大きな目。
コイツは多分、可愛い方なんだと思う。
見た目がそんなんだからミズを狙う男なんて
数えられないほどいて、
中学生の時から
オレはその男どもを追っ払うために必死だったって言うのに
冗談じゃない。
大槻がミズの理想通りの奴だったら
マジどうすんだし。
・・・・まあ、”白馬の王子様”なんている筈ないけど。
「ちょっと、康介聞いてる??」
「聞いてるっての」
「絶対聞いてない」
「聞いてるって」
「聞いてないー」
「・・・・」
あーもう、めんどくせ。
なんでオレこんなのが好きなんだろ。
コイツは全然オレの事なんて見てないのに。