交わることはない

小松家の問題②☆☆

東吾・・

今日の七湊の見合いの話をしていたら
急にみのりは、お風呂へ行き
自分の仕事部屋に入ってしまった。

俺・・なにかしたのかな?
と、思いながら
みのりに声をかけるが
返事がない

俺も自分の仕事部屋に入り
仕事をやることもある為
邪魔をしないようにしている。

鍵がついているわけではないが
守秘義務もあるため
俺はその場から離れて
寝室に向かい
ベッドに横になる

寝室は、クィーンサイズのベッドと
サイドテーブルが置いてあるだけ。

隣のクローゼット部屋に
通じる通路がある。

近頃では、このベッドに
一人で寝ていることが
多いように感じる

朝になっても
隣に寝た形跡がない

起きてダイニングに行くと
みのりは、朝食の準備をしている
いつの間に?と思うが
「東吾、先に出るわね。」
と、食べたものを流しに運んで
スーツに着替えて
綺麗な髪をクルクルと
かき上げパチンと髪留めで
とめてからでていく

髪をあげたうなじが妙に色っぽくて
朝から何度も襲いそうになる気持ちを
セーブしてから
自分も出かける準備をする。

最後にみのりを抱いたのは
いつだろう?
半年ぐらい前か・・
一年前か・・
ずいぶん昔のような・・・

そんなことを考えながら
事務所に出社すると
みのりのオフィス担当の弁護士が
体調を崩し、
急遽、俺が出向く事になった。

お義父さんの代から
みのりの会社の顧問弁護士は
うちの事務所がやっている。
だが、夫婦だから
俺ではない弁護士をつけている。

大きな案件やみのり自身から
頼まれた時だけは、
俺が自ら動くのだが。

コンコン
「社長、大沢先生がおみえです。」
「どうぞ」
と、言われて中に入ると
パソコンを観ているみのりがいた
「あれ?東先生は?」
「体調を崩して休んだから
俺がかわりにきた。
新しい仕事の契約なんだろう?」
「そうなの。東先生大丈夫かしら?
東吾も忙しいのにごめんなさいね。」
と、言いながら、みのりがソファーに
近づいてきたので
「ああ、いや、いいん・・だ・・・  
と、言おうとしたら
社長室のドアがバーンと開き
「ミノリ!!アイタカッタ!!!」
と、背の高い美形の外人が
みのりを抱き締めて
頬にキスをした
『エド、いらっしゃい。』
と、イタリア語で挨拶をしながら
その男を抱き締めて頬に唇を
寄せるみのり

エドと呼ばれた男は
すかさず、みのりの横に座り
みのりを顔を見つめながら話しをする。

そんなエド?に苛つき始めた時
< コンコン >
『エド、また、勝手に』
と、また外人が入ってきた。

後ろにみのりの秘書(女性)と
SPを従えて

みのりは、身を護る為に
秘書とは別にSPとして
男性を連れている
これは、俺が進めた事だ。

俺とみのり、エドとエドのマネが
ソファーに座り契約が始まる。
エド→エドアルド・ラエスタ(30歳)
イタリアの有名なモデルである。

日本で仕事を行う為に
全てをみのりの会社に
任せると言う契約だ。

みのりは、
俺を会社の顧問弁護士だと説明した。
契約は、スムーズに行き
直ぐに終了した。

エドは、みのりにランチに行こうと
誘っていたが、みのりは仕事があると
断るとじゃ、夕方にまた来ると
言ってマネージャーに連れられて
社長室を出ていった。

みのりは、秘書と打ち合わせを
しながら
「東吾、今日はありがとう。
今日の事は、東先生に引き継ぎを
お願いね。」
「ああ。」
と、俺が返事をしたのを見て
また、秘書と話しながら
社長室を出て行く。
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