コミ障の田口くん
_____
__


私は、前の席に座っている男子に振り返ってもらい挨拶をする。


「ねえ、田口くんおはよう。」

高校生になってから約2ヶ月。


わたしは、前の席の田口くんに挨拶をし続けている。


「いーち」


私が数え始めると少しかおを上げて、でも目は焦点が合わせず挙動不審になる。


「にーぃ」


やっと鼻を掛かるまで長い髪の奥にある目を合わせてくる。


「さーん」


ここで挨拶を返そうと呼吸の音が少し大きくなる。


「しーぃ」


あ、あ……と、声の発声練習を少しする


「ごーぉ…」


「お、おおはよう、虹空にゃんっ!
あ、あぁぁぁー」


「ぷっ、はい、虹空ニャンでーす。」


私は、含み笑いをこぼしながら言った。


田口くんは噛みながらではあるが今日も、ギリ5秒までに返してくれた。


ここ2週間同じタイムだ。


< 2 / 7 >

この作品をシェア

pagetop