ことほぎのきみへ
涼しくなる頃に花菜と近くの公園に行って遊んで

スーパーに寄って買い物をして

夕飯は花菜の好きなハンバーグカレーを作った


ご飯を食べて、お風呂に入って
遊び疲れてた花菜はいつもより早く寝た


その間に昼間出来なかった残りの家事を片付けた



「手伝う?」

「もう終わるから大丈夫だよ
ありがとう、優」


お風呂からあがってきた優が
キッチンで
明日の朝ごはんとお弁当の下準備をする私に
そう声をかけてくれた


「……いろは姉」

「ん?」

「もっとさ、いろは姉も好きなことしなよ」

「?どうしたの急に」


そばにやってきた優はどこか心配そうに私を見上げる


「いつも俺達の事ばっかだろ?
ありがたいって思ってるけど
休みの日くらいもっと遊んだり、ゆっくりしたりしなよ」

「遊んできたし、ゆっくりもしてるから大丈夫だよ」


旅行にも行かせてもらったし
家事が終われば部屋でゆっくりしてる

やることをやったあとは自由にさせてもらってる


笑って言葉を返す私に優は
不服そうに顔をしかめて
「……そーじゃなくて……」とぼそりとこぼす






…………優しい子に育ってくれたなぁ


しみじみ思う


最近の優はこんな風にやたら私を心配してくる


明らかに前とは変わった

自分の事は自分でするようになった



暇さえあれば家事を手伝おうとする

花菜の面倒だって文句も言わずに見てる
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