ことほぎのきみへ
曇った表情を前にして、少し後悔する


「ううん。そんなことないよ
大事な友達だもん。心配くらいさせて」

「……ゆまちゃん」


優しい言葉に、じんと胸があったかくなる


……本当に良い子掴まえたなぁ、一樹


出会ってまだ間もないのに
心の底から心配してくれてるのが伝わる


そんな顔をさせてしまうことは
やっぱり心苦しい


……だけど、ほんの少し嬉しい気持ちもあった



……



「あれ?ゆまちゃん!」

「こんにちは。久しぶり、ゆうりちゃん」


ゆまちゃんを連れてリビングに戻ると
ゆうりはびっくりしたように声をあげた

ゆうりとも久しぶりな再会だったようで
ゆまちゃんは嬉しそうに笑う


「久しぶり~っ元気だった?」

「うん」

「ゆまちゃん、心配して様子見に来てくれたの」

「本当は明日来るつもりだったんだけど
どうしても気になって…」

「そっか」


……あ、そうだ


ゆまちゃんの分のお茶を用意しながら
私はゆまちゃんに「あのね」と声をかけた


「今ね、ゆうりと恋愛話してたんだ
良かったらゆまちゃんの経験談とか色々教えて」


こういうのは実際に恋愛経験のある人から
色々聞く方がためになりそう

そう思って、ゆまちゃんに話をふった


「あ、それ聞きたい!
アドバイスとかして欲しい」

「ええ~アドバイスとかできるかな……」
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